北陸のインフラづくりの提言
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- 建設コンサルタンツ協会北陸支部
- 技術部会
- 神田 和久
「北陸インフラづくりの提言」を作成しました!
◆提言の背景
かつては人口日本一の時代もあった北陸地域では、特に若者の人口流出に歯止めがかからず、建設業界の担い手確保のみならず若者の人口流出抑制が大きな課題になっています。このため、インフラ整備の上流側から携わる建設コンサルタントとして、夢のある「北陸の将来の姿」をインフラづくりの観点からメッセージとして『北陸インフラづくりの提言』を作成しました。 この提言は、北陸の地域づくりに貢献する技術者集団として、おおむね『30年先』の将来を 見据え、地域課題の改善・解決に向けた構想(考え方と具体 策)を提案したものです。未来を担う若い皆さんとともに、その実現を目指していきたいと考えています。
◆実施体制・ターゲット
作業は、北陸支部の技術部会を中心に、主に統括技術委員会と都市計画委員会からなる作業チームを立ち上げ、適宜、支部長ほか各理事や会員企業の若手社員の意見もふまえながら進めるとともに、北陸地域で活動している学識や民間企業の各有識者からアドバイスを頂戴し作成しました。また、提言のターゲットは将来の地域づくりの担い手となる若者(中高生)を基本とし、興味・関心をもってもらえるような資料づくりに努めました。
◆提言の概要
本提言は、基本的な考え方とインフラづくりの課題認識を示し、目指すべき将来のすがたを設定した上で、インフラづくりの着眼点とインフラメニューを提案し、将来の実現イメージを描いてみました。
①北陸を取り巻く社会や環境の変化
北陸の地理的条件や保有する資源などのポテンシャルを整理した上で、将来に向けた北陸の課題を、「国土軸」「災害」「雪」「連携」「交流」5つのキーワードで分類し、北陸圏域の求められる役割や取り巻く環境の変化と今後配慮すべき要因を示しました。
②目指すべき将来のすがた(インフラづくりの目標像)
上記をふまえ、北陸支部からターゲットである若者へのメッセージとして、北陸の目指すべき将来のすがたを、『~「居続けたい」「いつか戻りたい」「また訪れてみたい」「関わり続けたい」と感じさせる場所。よく知らない・これまで関わったことの無い人にも、自信と誇りを持ってオススメできる地域。~』と掲げ、「産業・観光・生業」や「交通・人やモノの流れ」「暮らし・交流」などの様々な視点から、将来のイメージを具体的に提示しました。
③インフラづくりの取組方針と着眼点
北陸のインフラづくりの目標像を「日本海側の『国際中枢圏域ほくりく』」とし、それを実現するための取組方針を5つ設定した上で、あわせて10の着眼点を掲げました(図1)。その着眼点についての考え方を示すとともに、それぞれに掲げた計31のインフラメニューに対し、建コン北陸支部が考える推進すべき取組を具体的に提言しました。

④将来の実現イメージ
各インフラメニューの実施によって、30年後に新潟・富山・石川の3県が今以上に連携・一体化し、1つの圏域「国際中枢圏域ほくりく」として機能していく姿をイメージ図(図2)で描きました。

また日常の生活者の目線から、30年後の暮らしとインフラの関わり(取組イメージ)を「都心」「近郊」「集落地等」の3つの地域ごとに、加えて災害とインフラとの関わりを地震・水害・雪害の3つの災害から、それぞれイメージ図(図3,4)を描きました。


◆おわりに
北陸支部では、本提言の内容がターゲットである若者に伝わるようなデザインや構成を工夫したパンフレットと動画を製作しました。ホームページやユーチューブ、SNSでの配信のほか、土木出張PR(新潟県内中学校等での広報活動)や専門大学・工業高等専門学校等でのPR、経済界への配布を予定しており、これら活動を通じて建設コンサルタントの認知度やイメージ向上につながるものと願っています。
